折りたたみスマホは“縦長”をやめる?各メーカーが3:4ディスプレイに寄せ始めた理由
最近、折りたたみiPhoneの噂で少し気になる話が出ている。
それが、内側ディスプレイの画面比率だ。
海外メディアのMacRumorsは、中国系リーカーDigital Chat Stationの情報として、Appleの折りたたみiPhone、いわゆる「iPhone Fold」は内側ディスプレイがおおよそ4:3比率になる可能性があると報じている。理由としては、外側ディスプレイとの整合性や、既存のiPad向けソフトウェアとの親和性が挙げられている。
ここで面白いのは、単に「iPhone Foldが4:3らしい」という話ではない。
むしろ今の折りたたみスマホ全体を見ると、各メーカーが少しずつ縦長すぎるスマホ画面から、より本や小型タブレットに近い比率へ寄せているように見える。

スマホはずっと縦長化してきた
ここ数年のスマホは、基本的に縦長だった。
通常の板型スマホは、20:9前後の細長い画面が主流になっている。片手で持ちやすく、SNSの縦スクロールや動画視聴には向いている。
ただし、縦長画面には弱点もある。
ブラウザ、地図、電子書籍、PDF、表計算、チャート、ブログ編集のような用途では、横幅が足りない。文字は細く折り返されるし、情報量も少ない。
つまり、普通のスマホは「縦スクロール端末」としては優秀だが、「読む」「見る」「並べる」「作業する」端末としては窮屈だった。
そこで出てきたのが、折りたたみスマホだ。
折りたたむと、画面比率の正解が変わる
折りたたみスマホの面白いところは、閉じた時と開いた時で役割が変わることだ。
閉じた状態では普通のスマホとして使う。
開いた状態では、小型タブレットや本に近い使い方をする。
この時、内側ディスプレイが細長すぎると、せっかく開いてもあまりタブレットらしくならない。
逆に、3:4や4:3に近い比率になると、かなり印象が変わる。
画面が「縦に長いスマホ」ではなく、「横幅のある紙」や「本のページ」に近くなるからだ。

実際に3:4や4:3に近い端末は増えている
現行・近年の折りたたみ端末を見ると、この流れはかなり分かりやすい。
| 端末 | 内側ディスプレイの特徴 | 方向性 |
|---|---|---|
| 噂のiPhone Fold | 約4:3と報道 | iPad寄り |
| Samsung Galaxy Z Fold7 | 8インチ内側画面、外側は21:9へ拡大 | 開くと大型作業画面 |
| Google Pixel 9 Pro Fold | 8インチ内側画面、かなりスクエア寄り | タブレット・分割表示寄り |
| OPPO Find N5 | 2480×2248、ほぼ正方形寄り | 読書・作業向き |
| OnePlus Open | 2440×2268、1.0758:1 | かなりスクエア |
| vivo X Fold5 | 2480×2200 | 4:3にかなり近い |
| HONOR Magic V5 | 2172×2352、レビューでは4:3比率と紹介 | 本・タブレット寄り |
| HUAWEI Mate XT | 10.2インチ、16:11 | もはや小型タブレット |
SamsungはGalaxy Z Fold7について、外側画面は21:9で通常スマホに近づけつつ、開いた時のメイン画面は8インチに拡大し、マルチタスク向けの広い画面として訴求している。
OPPOのFind N5は、内側ディスプレイが8.12インチ、解像度が2480×2248ピクセル。単純計算ではかなり正方形に近い画面で、一般的な縦長スマホとはまったく違う方向性だ。
OnePlus Openも、内側ディスプレイは7.82インチ、2440×2268ピクセル、公式スペック上のアスペクト比は1.0758:1。これもほぼ正方形に近く、縦長スマホというより“小さな見開き画面”に近い。
vivo X Fold5は、公式ページでメイン画面20.38cm、解像度2480×2200とされている。これも4:3に近い方向で、横幅をしっかり確保した折りたたみ端末だ。
さらにHuawei Mate XTは、10.2インチの三つ折りディスプレイを採用し、16:11の比率を「Golden ratio display proportion」として打ち出している。これはもうスマホというより、ポケットに入る小型タブレットに近い。
なぜ3:4に近づくのか
理由は単純で、開いた時の用途がスマホではなくなるからだ。
折りたたみ端末を開く時、人はただ電話をしたいわけではない。
ブラウザを広く見たい。
地図を広く見たい。
電子書籍を読みたい。
写真を大きく確認したい。
チャートを見たい。
SNSとブラウザを並べたい。
動画を見ながら別アプリを開きたい。
この時、縦長のままだと中途半端になる。
しかし3:4や4:3に近づくと、画面に“面積感”が出る。
これは数字以上に体感差が大きい。
特にブログ、FXチャート、地図、PDF、電子書籍のような用途では、縦長よりも横幅がある方が圧倒的に使いやすい。
動画向きではない。でもそれが逆に重要
もちろん、3:4や4:3に近い画面には弱点もある。
16:9動画や21:9映画を見ると、上下または左右に黒帯が出やすい。つまり、動画全画面だけを考えるなら、縦長スマホや横長タブレットの方が有利な場面もある。
ただ、折りたたみスマホの本質は、もはや動画専用機ではないと思う。
むしろメーカー各社は、折りたたみ端末を見る端末から作業する端末へ寄せている。
GoogleもPixel 9 Pro Foldについて、内側の大きなSuper Actua Flexディスプレイを訴求している。海外メディアでは、Pixel 9 Pro Foldの内側画面はかなりスクエア寄りで、従来のPixel Foldから比率が大きく変わったとも報じられている。
この流れを見ると、折りたたみスマホは「スマホの画面を大きくしたもの」ではなく、「スマホに小型タブレットを内蔵したもの」になりつつある。

iPhone Foldが4:3なら流れは一気に加速する
ここで重要なのが、Appleの存在だ。
もし噂通り、AppleがiPhone Foldで4:3に近い内側ディスプレイを採用するなら、それはかなり象徴的だ。
なぜなら、4:3はiPadの文脈が強いからだ。
MacRumorsも、Appleが折りたたみiPhoneの内側画面を4:3にする理由として、iPad向けソフトウェアとの整合性を挙げている。
つまり、iPhone Foldは単なる「折りたためるiPhone」ではなく、
閉じればiPhone、開けばiPad mini的な端末
として設計される可能性がある。
これが本当なら、今後の折りたたみ端末の評価軸も変わってくる。
カメラ性能、薄さ、ヒンジ、重さだけではなく、
開いた時にどれだけ“紙っぽく使えるか”
が重要になる。
まとめ:次のスマホは“細長い板”から“開く本”へ
今までのスマホは、どんどん縦長になってきた。
しかし折りたたみ端末では、その流れが少し変わり始めている。
閉じた時は普通のスマホ。
開いた時は本、手帳、ノート、小型タブレット。
そのために、各メーカーは内側ディスプレイを3:4、4:3、あるいは正方形に近い比率へ寄せ始めている。
iPhone Foldの4:3ディスプレイ説は、その流れの一部にすぎない。
本当に面白いのは、これからのスマホが
「縦長画面でスクロールする道具」から「開いて読む・見る・作業する道具」へ変わっていくかもしれない
ということだ。
折りたたみスマホの本命は、薄さでもカメラでもなく、案外この画面比率なのかもしれない
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