アメリカ製戦闘機F-14がなぜイランでまだ飛ぶのか
映画『トップガン』で有名になった戦闘機F-14トムキャット。
アメリカ海軍では2006年にすべて退役し、現在では博物館でしか見られない存在になっている。
しかし世界で一つだけ、今でもF-14を飛ばしている国がある。
それが今何かと話題のイランだ。
アメリカと対立しているはずのイランが、なぜアメリカ製の戦闘機を今も運用できているのだろうか。
その背景には、1970年代の軍事取引と、革命後の驚くべき整備努力がある。
本題に入る前に少し。このF14という機体は1969年、今より実に57年も前に量産が始まった機体なのである。約60年の時を超え最新の装備も備えられないF-14が今も飛ぶ。
1⃣ そもそもなぜイランがF-14を持っているのか
まず歴史。
1970年代
イランは親米国家だった。
当時の国王 Mohammad Reza Pahlavi モハンマド・レザー・パフラヴィーはアメリカと強い同盟関係を持っていた。
そこで導入されたのが
Grumman F-14 Tomcat だった。
導入数 79機 当時としては世界最強クラスの戦闘機。

2⃣ 革命でアメリカと敵対
1979年
Iranian Revolutionが起きる。
これで
- 王政崩壊
- 反米政権誕生
アメリカは当然 部品供給を完全停止。 普通ならここで戦闘機は全部終わる。
3⃣ それでもF-14は消えなかった
ここからが面白い。イランは3つの方法でF-14を維持した。
方法① 共食い整備(カニバリゼーション)
飛べない機体を分解して部品取りする。
つまり
79機 → 実際に飛ぶのは20〜30機くらい。
軍ではよくある方法。
方法② 国内で部品をコピー
イランは
- レーダー部品
- 電子機器
- 油圧部品
などを国内でコピー生産。かなりの技術が必要。
実際イランは
- ミサイル
- ドローン
- レーダー
の技術をかなり発展させている。
方法③ ブラックマーケット
これが一番有名。
実はアメリカは
F-14部品がイランに流れるのを防ぐため
退役機を全部破壊した。
理由は
部品が闇市場に流れるから。
4⃣ アメリカが恐れた理由
F-14には当時としては異常に強力なミサイルがあった。
それがAIM-54 Phoenix射程約180km
1970年代としては完全に規格外。
イランはこのミサイルもかなり長く運用していたと言われる。

5⃣ 現在のイランF-14
現在の状況は推定。
保有
約40機
実働
10〜20機程度
と言われている。
ただし
- レーダー改修
- ミサイル改修
など
独自改造されている可能性が高い。
まとめ
F-14トムキャットはアメリカではすでに退役した戦闘機だ。
しかしイランでは、革命から40年以上経った今でも運用が続いている。
共食い整備、国内生産、ブラックマーケット。
さまざまな方法で維持されてきたこの戦闘機は、世界でも極めて珍しい存在となった。
もし将来、F-14が完全に退役すれば、可変翼戦闘機の歴史は完全に終わることになる。
それまでイランの空では、映画『トップガン』の戦闘機が今も飛び続けている。
※筆者は軍事関係大好きですが、間違いなどもあるかと思います。間違いなどありましてもぬるい目で見てください。
